この度、遅くなりましたが、Gem Information 第42号発行の運びとなりました。 また、だいぶ間が開いてしまい、本当申し訳ございませんでした。 42号の内容についてお伝え致します。 前号の合成ダイアモンドの記事には多くの反響を頂戴し、日本各地で20回を超える講演の機会を頂きました。弊社での合成石の現状について述べれば、HPHT合成についてはイエローなどで定期的に見られるものの、CVD合成はお客様が合成と知らずにお持ちになることは、1ct前後の石でまだ数回しかないのが現状です。 また、研究の目的で世界のいろいろなCVD合成石を検査させて頂くことが出来、その技術の進歩には驚くばかりです。前号でご紹介したCVD合成の特徴がどんどん発見しにくくなっております。ただ幸いまだコストが高く、経済的メリットに乏しいとの話も聞きますが、鑑別レベルでは注意に注意を重ね、また状況が変れば早急にご報告したいと考えております。 Gem Information 第42号 内容紹介 ブルー・スピネルの着色原因とベトナム産のコバルトスピネル 近年、ベトナムから産出するコバルトスピネルには、これまでのものとは違い、とても明るく鮮やかなものがあります。 コバルトスピネルを含む、ブルー・スピネルの着色のメカニズムに着目し、 また、ベトナムのコバルトスピネルの特徴について、そのインクルージョンからご紹介しております。 変則的なカラーチェンジを示す宝石 カラーチェンジは宝石の魅力の一つです。 しかし、アレキサンドライトのような変色性だけではなく、 宝石には色が変わって見えたり、実際に変ってしまう特性があります。 レアストーンの魅力として、リバースカラーチェンジ・ジルコンや テネブレッセンス・スキャポライトなど、いろいろご紹介致します。 ダイアモンドの光のパフォーマンス:人が感じる美しさ ロシア、モスクワ大学宝石学センターのYuri博士のダイアモンドの光のパフォーマンス理論をご紹介致します。 なぜ、人はこれほどまでダイアモンドに輝きを感じるか、ファイアが強いカットとはなんだろうか、 ファンシーシェープも含めて良いカット、悪いカットはどのように判断良いのだろうか、同氏の考え方をご紹介致します。 ロシア、アルハンゲリスク州のLomonosov鉱山 2012年にロシアの北西部にある同鉱山を訪問する機会を得ました。 その鉱山の産出状況をご説明すると共にダイアモンドの鉱山では、 どのように原石が採掘されているのかご紹介致します。 合わせて近年のロシアのダイアモンドの品質を支える、 先進的なカット技術についてもご紹介していきたいと思います。