貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素より⽇独宝⽯研究所をご利⽤いただきまして、誠にありがとうございます。この度、Gem Information 第 46 号発⾏の運びとなりました。発行が遅くなり、誠に申し訳ありませんでした。今号ではデ・ビアス社がラボグローンダイアモンドとして販売を開始したLightbox jewelryについて、その市場への影響を考察致しました。また、宝石名に着色原因がついた宝石について、特にクロムによるものとされる宝石についてその特徴を調べました。宝石の特徴と魅力を分かりやすく紹介していけるよう、これからも情報発信に努めて参ります。
合成ダイアモンドのアップデート2018
以前より市場で見られていましたメレーサイズのHPHT合成は小さいけれど高品質のものでしたが、この度0.5ctほどのあまり品質は良くないけれど大きなものが見られました。これまで通りの低コストで、ロングランHPHTという少し違った製造方法による大型化が見られます。また、照射によってHPHT合成の蛍光・燐光を抑える技術が報告されました。その特徴についてご紹介致します。
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クロム・マリ・ガーネット
グロッシュラーとアンドラダイト・ガーネットの中間タイプであるマリ・ガーネットは普通淡い色が特徴ですが、この度見られたものはロシア産のデマントイド・ガーネットのような鮮やかな緑色でした。クロムで着色された、鮮やかな緑のマリ・ガーネットを始め、マリ・ガーネットの色について解説します。
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クロム・スフェーンとバナジウム・スフェーン
パキスタンなどから産出する濃い緑のスフェーンがよく市場で見られますが、これらの多くはクロムではなく、バナジウムで色が着いたものです。しかし、ロシア産にはウバロバイトと同じ鉱山から産出する、クロムで色が着いたスフェーンもあります。それらの違いについてご紹介します。
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ミャンマーの翡翠市場とエンポリアム
ミャンマーのマンダレイの翡翠市場とエンポリアムのオークションを視察することが出来ました。ひすいの原石はその品質を判断するのが難しく、独特な販売方法が用いられています。また、エンポリアムでは19億円近いリザーブプライスがつけられた翡翠の原石もあり、その奥深さを感じることが出来ました。
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宝石が生まれた時
宝石の生成年代が話題となっています。長い地球の中で我々が見る宝石がいつ生まれたのか、そこには長い地球の歴史を手にしているようなロマンがあります。この度、ギュベリン宝石研究所から資料を頂き、日頃、目にしている宝石の生成年代の一部が分かりましたので、ご紹介します。
Gem News
万華鏡のように見る角度で色が変ってみるバイカラー・トルマリン、ベルベットのような表面の輝きが美しいグレープ・カルセドニー、タンザナイトのような透明度の高いソーダライト、マンダリン・ガーネットに見られたホーステール・インクルージョンそっくりなインクルージョンなどについてGem Newとしてご紹介します。
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