61) Hornblende ホルンブレンド:スリランカ産 0.430ct 褐色透明石
和名:普通角閃石 化学組成:Ca2(Mg,Fe)4AlSi7AlO22(OH)2 単斜晶系に属する。 産状:断面は六角形や菱面体、繊維状や粒状の結晶??? 色相:無色、白色、灰色、ピンク色、淡い緑色、褐色透明石、モース硬度:5-6???? へき開:完全? ?比重:2.98-3.24 ? 屈折率:α=1.675 β=1.690 γ=1.695?? 複屈折量:-0,020?? 蛍光検査:長波・短波共に変化なし 多色性:三色性
角閃石族は100種類近くの仲間があり、これらを全てまとめてアンフィボール族と呼んでいる。その中で一番ポピュラーなのがケイ酸塩鉱物の普通角閃石である。同じ普通角閃石でも成分はマグネシウム,カルシウム,アルカリなどを含む複雑な化学組成をもっている。Fe?+>Mgはフェロホルンブレンド(Ferrohornblende)になり、Mg>Fe?+はマグネシオホルンブレンド(Magnesiohornblende)になる。
62) Kovdorskite コブドルスカイト:ロシア産 0.585ct 淡オレンジ色透明石
和名:コブドルスカイト? ?化学組成:Mg5(PO4)2(CO3)(OH)2?4.5H2O?? 単斜晶系に属する。? 産状:粒状結晶? ?色相:淡いバラ色、青緑色 モース硬度:4?? へき開:なし?? 比重:2.60?? 屈折率:α=1.527 β=1.542 γ=1.549?? 複屈折量:-0.022?? 多色性:三色性?? 蛍光性:長波・短波共に変化なし 産地:ロシア
Murmanskaja州ロシアのKola半島のZheleznyy鉱山のコブドル断層のマグネシウムカンラン石-フォルステライトの岩石中にマグネサイト、ドロマイトなどと関連して産出する。
63) Lepidolite レピドライト:ブラジル産 1.610ct ピンク色半透明石
和名:リチア雲母?? 化学組成:K(Li,Al)3(Si,Al)4O10(F,OH)2? 単斜晶系に属する。? 産状:板状結晶? 擬六角形あるいは六角形 色相:桃色、オレンジ、無色、白色、灰色透明?半透明?? 光沢:真珠光沢?? モース硬度:2.5-3?? へき開:{100}に完全? 比重:2.8-3.3? ?屈折率:α:1.525?1.548 β:1.551-1.585 γ:1.554-1.587?? 複屈折量:-0.018?0.038?? 多色性:三色性?? 蛍光性:長波・短波共に変化なし? 産地:アメリカ、カナダ、ブラジル、ドイツ、スウェーデン、ロシア・・・等
マイカの一種で、リチウムを多量に含むリチウム・ペグマタイトの中で産出するのがピンク・レピドライトである。多くはピンク・トルマリンなどのLi鉱物と共存する。白雲母(Muscovite)がマンガンを含むと紫色になり、レピドライトのような色を帯びる場合もある。 ギリシャ語のLepidos(鱗状)に因んで命名された。
64) Remondite レモンダイト:カナダ産 1.391ct 帯オレンジ黄色透明石
化学組成:Na3(La,Ce,Ca,Na,Sr)3(CO3)5 単斜晶系に属する。? 産状:擬六方柱状結晶?? 色相:明るい帯オレンジ黄色?帯赤オレンジ? 光沢:ガラス光沢?? モース硬度:3?? へき開:なし? ?比重:3.5? 屈折率:α=1.615 β=1.619 γ=1.622?? 複屈折量:-0.007?? 多色性:三色性?? 蛍光性:長波・短波共に微赤色蛍光?? 産地:ロシア、カナダ・・・等?????
ごく稀産な石であり、黄色からオレンジ色にかすかに色変わりするが、隣色のためカラーチェンジタイプだとは認めがたい。Laの含有率が多いと黄色みを帯び、Ceの含有率が多いと赤みを帯びる。アルカリペグマタイトの中にビリオマイトなどと関連して産する。
65) Stolzite ストルザイト:フランス産 1.952ct 黄色半透明石
和名:鉛重石 化学組成:PbWO4 正方晶系に属する。産状:両錐体、厚い板状結晶色相:黄色?赤色、褐色、緑色の透明から半透明光沢:樹脂光沢?ダイアモンド光沢 モース硬度:2.5-3 へき開:なし?? 比重:7.9-8.34
屈折率:ε=2.18 ω=2.27 複屈折量:-0.08 多色性:二色性 蛍光性:長波にて黄濁色蛍光、短波にて一部白濁蛍光 産地:アメリカ、ブラジル、イギリス、イタリアのサルディニア島、ドイツ・・・等
タングステン酸塩鉱物として褐鉄鉱などを伴って産出する。単斜鉛重石(ラスパイト)とは同質異像である。ボヘミアの鉱物学者J.A.Stolz に因んで名付けられた。