新年あけましておめでとうございます。 旧昨年中は格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。 本年は社員一同、基本に立ち返り、一層の技術、サービス向上に努めて参る所存で おりますますので、いっそうのお引き立てのほどお願い申しあげます。 年賀状に用いました写真のご説明をさせていただきます。 ミャンマーのルビーへの憧れは、昨年もさらに上昇しました。 そのような中でも美しいミャンマー産のルビーを拝見することが出来ました。 今年も産地の情報などを集めていきたいと思います。 同じくミャンマーのブルーファイアに見られるシルクインクルージョンです。 まるで流れ星のようなきらめきです。 昨年ツーソンで見ることができました、アメリカ産のデマントイド・ガーネットです。 非常に小さな石ですが、きれいなホーステールが見られます。 こちらはパキスタンのデマントイド・ガーネットです。 ナミビア産、マダガスカル産のように今年はもっと市場で見られるようになるのでしょうか。 スマトラ島のアンバーです。 青い蛍光がドミニカのものように強く、新しいブルーアンバーとなるのでしょうか。 また、樹脂の流体構造が蛍光で美しく見られます。 昨年も宝石学会で、中嶋彩乃さんのご協力を得て、スピネルについての発表を行いました。 昨年はスピネルの歴史に着目しました。 こちらはState treasury museum of the residence palace of Munich に所蔵されているバイエルン王妃Thereseのパリュールです。 また、昨年これまでの宝石の産地検査についての研究をご評価頂き、 宝石学会日本において奨励賞を頂戴致しました。 その賞を励みに、これからもさらに産地の研究を進めていきたいと思います。 ここからは処理や合成石の写真です。 これはダイアモンドに用いられる高温高圧加熱処理(HPHT)が行われたブルーサファイアです。 こちらはインド製のCVD合成ダイアモンドに見られた特徴的な成長線です。 CVD合成がこれから脅威とならないように、今度とも研究を続けていきます。 所内での加熱の実験も昨年は引き続きいろいろ行いました。 こちらはベニトアイトです。 最後になりますが、こちらはコバルトで青色をつけた鉛ガラスが含浸されたサファイアです。 ホワイトサファイアにコバルトによる色がのっているため、とてもきれいですが、 顕微鏡で見るとこのようなクラックに染まった色素の様子が見られます。 今年は基礎に立ち返り、研究を進めていきたいと考えております。 皆様の変わらぬ、ご支援、ご教授をどうぞよろしくお願いいたします。 重ねて、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。 2015年元旦 日独宝石研究所 所長 古屋正貴