昨年末12月28日、ドイツの宝石彫刻家、トム・ムーンシュタイナー氏が54歳の若さで亡くなったそうです。
突然のことだったとお伺いしています。
ムーンシュタイナー氏には、父の頃からお付き合いをさせていただきました。
私がまだ小さくイーダーオーバーシュタイン市に家族で滞在していた頃、
父に連れられて、アトリエを訪れた際には、まだ彼は駆け出しで、
父・ベルントさんを手伝いつつ、その技法を一生懸命に学ばれていました。
父が急逝し、私が急に研究所を引き継いだ時にも、様々な手を差し伸べてくれ、
今まで研究所を続けてこれたのも、彼の助けがあってのことだったと感謝しております。
毎年、ツーソンでお会いしたり、彼の工房へ訪れれば、様々な新しい作品を拝見させてくれ、
息子のフィリップさんの成長を語ってくれました。
そして、フィリップさんが同じ宝石彫刻の道を目指すと決めたときの彼の喜びようを今でも覚えています。
まだまだフィリップさんに伝えたいこと、教えたいことはたくさんあったと思います。
その気持ちを想うと胸が締め付けられます。
新年早々、また大きな災害、事故で大変なところ、このような報告をすることは大変心苦しいのですが、日本には彼の作品の多くファンもいらっしゃると思い、ご報告させていただきました。
写真はGery Raskin氏より転載させていただきました